落合やすともの政策テーマ、題して 「楽園の森ルネサンス」 〜森を再生させ、森と共生し、森を中心に発展する能代〜
  • 政治理念
     ずっと続く、幸せの循環 あらゆる生命にとっての幸福が 持続し、循環し、共感できる そんな「マツリゴト」を創造

    加速する人口減少によって縮小していく社会

    持続可能な地域発展と住民福祉のためには

    縮小社会に対応できるまちづくりの基盤を

    再構築することが地方都市の早急な課題

    そのためには自治と自立の精神を高め

    共生・調和・循環の理念のもと

    良質な地域社会の発展を目指す必要がある

    消費社会の「競争」から持続可能社会の「共創」へ

    消費社会の「市民」から持続可能社会の「志民」へ

    幸せが循環し続けるまちへ“トランジション”

     

  • 基本方針

     

    政治理念に沿った3つの基本方針

     

     

    Ⅰ.楽園の森ルネサンス

     

    森を再生させ、森と共生し、森を中心に発展するまち

    生態系豊かな「生きた森」をよみがえらせ治山治水

    森林資源を活かした産業振興と食・エネルギーの地産地消

    自然とつながり健康的で心豊かな暮らしを創造

    あらゆる生命のいとなみは森によって循環する

    森は水と空気をきれいにする浄化装置であり

    全動植物に欠かせない食料の生産工場でもある

    戦後以降に加速した消費社会が森を荒らしてしまい

    生命のいとなみの歯車は狂ってしまった

    人間社会は持続性を失ってしまった

    森がよみがえれば、人も、町も、国もよみがえる

    いざ楽園の森ルネサンス(※ルネサンス…再生・復興の意)

     

     

    Ⅱ.共生×調和×循環

     

    生態系や自然環境を守る共存共栄の理念で

    ヒト・カネ・モノが地域内で循環する流れをつくり

    より質の高い発展を目指す持続可能なまちを創造

    2015年の国連で採択された持続可能な開発目標SDGs

    持続可能な世界を実現するために17の目標が掲げられ

    日本政府もSDGsに積極的に取り組むことを宣言

    共生×調和×循環の理念なくして持続可能な発展は成し得ない

    消費社会の行き詰まりによって世界的な気付きが起きている

    私たちの祖先は平和で持続可能な社会を脈々と営んできた

    能代にも縄文人末裔である蝦夷がたくさん暮らしていた

    今こそ彼らの文化や精神をかえりみる必要がある

    彼らの暮らしの中に偉大なる叡智が隠されている

     

     

    Ⅲ.理想郷の創造

     

    社会を「変化」させるのではなく「創造」する

    ぬり潰されたキャンパスに無理して描くのではなく

    新しいまっ白なキャンパスに思うがまま描く

    まずは自分の理想とする暮らしを実践しよう

    次に自分の理想とする社会をイメージしよう

    イメージに共感が生まれたら仲間を集おう

    仲間が集ったら小さなコミュニティをつくろう

    小さなコミュニティはどんどん大きくなり社会になる

    その社会の中に独自の政治・経済体系ができあがる

    そして既存の社会システムが本当に行き詰まったとき

    理想郷への「シフトチェンジ」が起こるのである

    共生×調和×循環の精神でつくられた持続可能な理想郷へ

     

  • 政策提言

     

    基本方針に沿った10の政策

     

     

    1.地球に優しいオーガニック都市

    自然栽培・有機栽培・特別栽培といった持続可能な農業の段階的な普及。行政・農協・民間が連携して栽培技術を確立し、ブランド化によって世界に向けた販路を開拓。生物多様性および環境保全と両立できる農業振興を目指し、オーガニックで市民の健康増進も図る。

     

    2.リノベーション木都能代

    地域経済循環のエンジンとして、川上の林業から川下の木材業にいたる森林総合産業を活性化。地域材や木質バイオマスの地産地消により安定した需要を創出。森のダム(水源涵養)機能や生物多様性保全機能の再生を目指し、「生きた森づくり」も並行して取り組む。

     

    3.自分らしく生きる働き方改革

    市職員や教職員のライフ・ワークバランスを実現させ、プライベートと家庭最優先の働き方モデルをつくり民間に普及。長時間労働解消を目指し、残業規制、業務内容の改善、ITCやペーパレス化の積極的導入、定員適正化計画の見直し、年休取得率の向上を進める。

     

    4.市民百姓化計画

    いかなる政治・経済状況になろうと自治自立できるまちを目指し、自給力のある百姓市民を増やす。半農半Xを推奨して多様な働き方を啓蒙し、移住定住の促進、食料自給率の向上、耕作放棄地の再生、農福連携の推進、都市菜園(オルガノポニコ)の普及などに波及させる。

     

    5.自由と創造の教育革命

    ひとりひとりの個性や才能、自由な感性、創造性を集中的に育み、子どもたちの瞳輝く学校教育を推進。教育の役割は自立のサポート。現代の集団規格化教育を見直し、子どもたちには生きる知恵と生きる力、多様な生き方の選択肢を与え、そのための教育関係予算は拡充する。

     

    6.緑と生命あふれる環境デザイン

    インフラ整備などあらゆる公共開発は、生物多様性や住民生活への配慮を最優先とする「環境デザイン」に基づいて実施。郊外開発をしないコンパクトシティを基本に、自然景観を大切にした秩序ある都市開発を目指し、つねに市民が憩いと癒やしを感じられる生活環境を創造。

     

    7.自然のちからで健康づくり

    自己治癒や自己免疫を回復させる自然療法の普及。食事や生活習慣の改善、運動不足やストレスの解消を基本に、薬にたよらない医療を推進して医療費・社会保障費を健全化。また幼少期からの健康づくりとして、遺伝子組換食材や合成添加物を使わない和食中心の学校給食を実施。

     

    8.オフグリッドヴィレッジ構想

    地域資源によってエネルギーを完全自給できる集落モデルづくり。中央資本に依存しないで木質バイオ・小水力・太陽光などにより熱電自給。成功モデルを確立して段階的に普及させることにより、まち全体でエネルギーを自給自立化し、モノとカネの地域循環を構築する。

     

    9.市民が主役の共創型行政

    行政主導ではない住民自治を基本としたまちづくりを進め、縮小社会に向けて行財政運営をスマート化。民間投資を必要最低限に縮小し、その代わりに税負担を軽減することで、市民の自発力と生産力の向上を図る。また公民連携の開発手法PPP・PFIを積極的に導入。

     

    10.EZO×ECOツーリズム

    能代は日本最後の縄文文化圏「蝦夷(えぞ)」中心地のひとつ。国内最大級の竪穴住居跡「杉沢台遺跡」を中心に、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録も視野にして、自然文化の保全と体感を目的とした広域・滞在型の「エコツーリズム」を推進。インバウンドも振興する。

     

  • なぜ「森」なのか

     

     

    なぜ森を再生させるのか

    なぜ森と共生するのか

    なぜ森を中心に発展するのか

     

     

    あらゆる生命は

    森を生かし、森に生かされ

    調和をつくり循環している

    森は動物たちに食料と寝床を

    そして霊気みなぎる酸素を与える

    何万年も積もり積もった腐葉土は

    ミネラルたっぷりの水を吐き出し

    有機物に満ち満ちた源流は

    川となり海となり魚たちに届く

    虫たちは草花の受粉を助け

    獣たちのフンは木々の肥やしとなり

    森と生物は生かしあっている

    東洋思想に見る“ワンネス”の境地

     

     

    その共生と調和と循環のサイクルに

    人間も加わっていた時代があった

    それも遠い昔の話ではない

    あらゆる生命の中に神を見出し

    自然に畏敬の念を抱き

    森と共に生きていた

    他種の生活圏をむやみに侵さず

    必要以上に生物の命を奪わず

    秩序を守ることは自らを守ることと知る

    高尚な精神を持った民族

    彼らは「エミシ」や「アイヌ」と呼ばれ

    平安時代頃まで北東北を中心に暮らしていた

    近代になってもそのスピリットは

    彼らの子孫が暮らす山村を中心に残っていた

     

     

    彼らのいとなみは

    平和で持続可能なものであった

    何万年、何千年と続いた

    自然と共生する自給自足の生活が

    その悠久なる時間をつむいだ

    食べものは農耕や採集、狩猟で自給

    エネルギーは森林を伐って薪や炭にして自給

    住宅資材も山から調達してきて自給

    とてもシンプルな暮らしだけど

    何にも急かされず、心にゆとりを持てる

    たくましいライフスタイルを築いていた

    政治や経済がいかなる情勢になろうと

    自立できて、持続できる社会

    今私たちが必死に追い求めているものが

    一昔前は当たり前に存在していた

     

     

    自然とのつながりが失われ

    日本の森が豹変していったのは戦後

    大量消費社会が到来した高度成長期

    森は人間の経済活動によって蝕まれていく

    木材生産量を増やすための拡大造林政策

    広葉樹を中心とする天然林は皆伐され

    経済的価値の高いスギやヒノキなど

    針葉樹からなる人工林に植え替えられた

    しかしその後の燃料革命や木材輸入自由化で

    国産材の価格が低迷していき

    採算が取れなくなって林業離れは加速

    若者は村を出て後継者がいなくなり

    人工林は手入れされず放置されていく

     

     

    経済活動は森をどんどん荒廃させた

    一見青々しく見える里山も

    近づいてみるとお化けのように杉が立ち並び

    他の生命活動を許さぬ暗黒の世界

    まるで稼動していない廃棄工場

    成長した人工林は混みあって鬱蒼とし

    日光の届かない地面には下草が生えず

    微生物も思うように活動できない

    生物多様性は損なわれ土壌は痩せていく

    食物連鎖の歯ぐるまは狂ってしまい

    広葉樹の森を生活圏としていた動物たちは

    餌不足になって人里に降りていき

    農作物を喰い荒らすようになった

     

     

    森にはダム(水源涵養)機能があるが

    根を張れない針葉樹の森に雨水は浸透しない

    土砂崩れや地すべりが頻発するようになり

    大雨が降るとあちこちで災害となる

    森が水を蓄えられないと下流で洪水も起きる

    人間はダムを建設しなければいけなるし

    がけ崩れの防止や河川の護岸のために

    野山はコンクリートで埋め立てられていく

    森からの恵みである湧き水もどんどん枯れ

    上水道を整備しなければいけなくなった

    森林土壌から微生物が消えていくと

    源流のプランクトンは不足して

    農業用水としての水質も低下するし

    川や海では魚介類が不漁となる

    森の変化は海にまで影響を及ぼしている

     

     

    森の荒廃による様々な弊害への対策で

    私たちの税金は湯水のように使われるけれど

    災害対策、インフラ改修、鳥獣被害

    問題は次から次へと現れてくる

    人口減少により社会が縮小化していくなかで

    地方や国の行財政にとっても深刻な問題

    しかし問題解決のための答えは

    とてもシンプルだと思う

    森を再生させ、森と共生すればいい

     

     

    森林は秩序と節度を守って活用すれば

    人間にとっては化石燃料に変わる

    無限のエコロジー資源となる

    一刻も早く間伐をほどこして人工林を手入れし

    針葉樹を資源としてどんどん消費する

    水源涵養、土壌保全、生物多様性保全

    森の公益機能を回復させるためにも

    人が通えぬ奥山や生産性の低い山林は

    広葉樹の森に戻して永久自然林保護区とする

    昔のような「生きた森」の再生によって

    動物たちは生活圏を取り戻すこともできるが

    最も恩恵をこうむるのは人間かもしれない

     

     

    極端な話にもなるけれど

    湧き水が復活すれば上水道はいらなくなる

    排水を環境に配慮すれば下水道もいらなくなる

    災害対策や河川改修もいらなくなる

    大自然破壊のダム工事もいらなくなる

    すると税金を増やす必要もなくなる

    人はおいしい水を飲み、うまい空気を吸える

    里山中心の生活を羨望するようになる

    野山で食やエネルギーを自給できる安定した生活

    自然の中でストレスフリーで元気に生きれば

    お医者さんも介護施設もいらなくなってくる

    移住対策や過疎対策で補助金をバラ撒かなくとも

    心豊かな生活に憧れて自ずと山村に人が集う

    森林資源を有効活用して産業振興できれば

    お金が地域の中でまわり雇用も持続的に生まれる

    また森が再生すれば二酸化炭素の吸収率も上がり

    地球温暖化の防止にもつながっていく

    地方や国が抱える多くの財政的な問題が

    一挙に解消されていく

     

     

    森がよみがえれば

    人も、町も、国も

    よみがえる

     

     

  • 現在の能代市政について(H29年版)

     

    <平成29年記>

     

    齊藤市政の12年間

     

    平成18年に齊藤市政が誕生してから3期目となり11年経過しましたが能代市はどう変わったのか。まず義務的な成果としてあげられるのは財政改革でしょうか。次段で詳しく述べていますが義務的な成果という意味は、能代市だけが特別にあげた成果ということではなく、平成の大合併により合併の道を選んだ市町村であればほとんど共通している、という意味です。「義務」というよりは「自然」と言ったほうが良いかもしれませんが、合併市町村は国から潤沢にバラ撒かれた交付金や補助金などのおかげで財政状況が改善へと向い、また定員適正化計画によって人件費が大きく削減されました。財政に余力が生まれると、まず最初のステップとしてこれまでの累積課題であった公共施設やインフラの整備に投資するわけですが、能代市の合併後は、二ツ井小学校・第四小学校の新校舎開校、住吉住宅の建て替え、そして新庁舎整備などのハード事業が続きました。「義務」であったとしても合併後の行政手続や財政改革には、もちろん市職員の方々の不断の努力があったでしょうから、その点についての評価は必要です。

     

    では「義務的」ではなく「自発的」な、齊藤市長オリジナルカラーの政策とその成果について振り返ってみます。残念ながら特段これといって、齊藤市政によって著しく能代市の産業が活性化したとか、雇用が創出されたとか、人口流出に歯止めが掛かったというような成果は思い浮かばない。齊藤市政カラーが最も濃い政策と言えば「エネルギーのまち」でしょう。特に力を入れているのは風力発電ですが、昨今の動きとしては市も出資する地元資本の風の松原自然エネルギー株式会社や、日立パワーソリューションズの風力発電保守研修施設が運行開始したりと、具体的に再エネ関連での雇用創出も期待されるようになり、本格的に始動してきているような局面は確かに感じます。

     

    ただ「エネルギーのまち」がプロパガンダ(過大広告)となっている印象を否めません。実際のところ能代市に風力発電関連の事業が増えた背景には、3.11の福島原発事故が引き金となった国のエネルギー政策の転換があり、再生可能エネルギーの導入を加速すべく充実させられた固定価格買取制度や補助金メニューに民間企業が群がり、つまり「国策」「民間企業」「立地条件」といった要因が相重なって能代市で再エネ関連の産業が活性化しているのであって、あたかも齊藤市政が主導して再エネ政策を邁進させているような錯覚を市民に与えているようであれば忠告しなければなりません。もちろん見えない部分において市長の努力や行政のテコ入れもあるでしょうけれど、悲願とされていた能代火力3号機建設についてもそうですが、再エネブームへの便乗は“棚ボタ的”であるということです。

     

    棚ボタであろうと訪れたチャンスを掴んで活かすのも実力でしょうが、国のエネルギー政策というのは原発事故からもわかる通り、いつ舵取りが変わるのかもわからない不確定要素のかたまりであって、例えば29年2月に東北電力から接続可能量規定が超過したとの発表があったり、28年に北東北三県で再エネ用の送電線の空容量がなくなり系統制限エリアとなるなど、新規参入者や現在市や県で進めようとしている洋上風力計画への逆風もあり、またFIT(固定価格買取制度)の風力買取価格が下落している暗雲低迷な現状もかんがみて、「エネルギーのまち」が能代市を健全に成長させるための主力政策になり得るのは難しいであろうというのが私の感想です。

     

    他に齊藤カラーの政策として思い浮かぶものを挙げれば、郊外へのイオン出店計画や、天空の不夜城などでしょうか。イオン出店計画というものは、齊藤市長の自治体トップとしての姿勢、政策の方向性がよくわかる事項だと思います。(仮称)イオン新能代ショッピングセンター出店計画は、市長が出店GOサインである農振解除をしてから約10年もの間、計画延期が繰り返され市民は翻弄され続けてきましたが、28年12月以降の定例議会において、イオン側から地権者の農家へ来年度作付けをしないよう要請があったとの報告や送電線工事が着工したとの報告があり、当初の規模に比べ大幅に縮小するようですが具体的に店舗建設に向けて動き始めた一面をうかがわせます。

     

    イオン出店のデメリットとして掲げられる主なものは中心市街地への影響ですが、実際はそれだけでは済みません。巨大な中央資本企業のイオンは市に固定資産税を納める代償としてに、圧倒的な資本力で市全体の商業圏を破壊しながら地域の富をダニのように吸い取って中央に集積し、地元資本の既存商業施設などへ深刻な打撃を与えます。メリットとして掲げられる雇用創出ですが(当初のシュミレーションでは2000人)、出店すれば一時的に雇用が増えたようには見えますが、それは出店の影響を受けた地域内の既存商店から雇用者が移動するだけで、結果として市総体で見れば雇用が増加するわけではなく、しかもその雇用というのはパート・アルバイトなどの非正規雇用。更に、近年市内の有効求人倍率は上がり続けていますがその理由は働き手不足であり、こういった状況であるのに一体どこから雇用者が湧いてくるというのかその根拠が摩訶不思議です。もし本当にイオン出店が実現すれば、それは齊藤市政の成果というよりはもはや悪影響にしか過ぎません。郊外への巨大ショッピングセンターの誘致は時代錯誤であり、現在国が進めている地方創生の理念とも相反している要素です。

     

    さて、客観的に齊藤市政の11年を評価をすれば、オリジナリティーは薄いですが良くもなく悪くもなく、ある意味安定路線だったのではないでしょうか。しかしながら、今全国の地方自治体に課せられている責務というのは、これからさらに深刻化していく人口減少による縮小社会を乗り超えてゆける、持続可能な行財政運営の基盤をつくっていくことです。そういった観点で11年間の血税の使い方が適切だったかどうかと言われれば、齊藤市長在任中は財政運営が安定しているとしても、これから10年20年先の展望は不明瞭であり、中長期視点で評価するのであれば100点満点中50点以上の採点はできないでしょう。

     

    ただ、代替案も示さず一方的に批判するというのは無責任です。全国の大多数の市町村は、縮小社会を乗り越えるための打開策を見つけられないまま暗中模索している状態であり、もしくは模索すらしていない状態であり、現況の能代市もその大多数の中に含まれているでしょう。その荒波を切り開いて明るい兆しを見出した市町村というのは極少数派であり、いわゆる“先進地”として全国から注目の的となります。どんな妙案があったとしても、二元代表制という地方行政のシステム上政治的な背景が障害となって実現が難しい場合もありますが、“先進地”の共通点として見えてくるのは、既得権益への癒着を断ち切り、役所特有の前例主義を打ち破って、行政主導型ではなく民間との連携や民間の経営感覚を大切にしたまちづくりであるような気がします。ようは「本気の覚悟」を示すことで、初めてスタートラインに立ったと言えます。

     

     

    能代市のお財布事情について

     

    齊藤市政が誕生した平成18年、旧能代市と旧二ツ井町の合併後「新能代市」発足以来の財政状況はどのようになっているのか。自治体の財政状況の良し悪しを把握するために指標となるポイントがいくつがあります。行政用語だと理解しにくいので“家計簿”感覚で説明していきます(指標の根拠とする数値は平成27年度決算を参照)。

     

    先に能代市の年間の収支状況について説明しますが、自治体運営の収入(歳入)には自主財源と依存財源の2種類があります。家計簿に例えると自主財源は自分で働いて得た給料、依存財源は親からの仕送りや銀行からの借金です。自主財源は市が自主的に収入することができる財源のことで、市税(個人税、法人税、固定資産税など)がその大半です。依存財源は国や県の意志によって交付される財源のことで、地方交付税、国・県からの支出金、あとは市債(借金)などです。平成27年度決算時における能代市の自主財源比率は29.7%、依存財源比率は70.3%。親からの仕送りがなくなれば生計を立てて行けず自立不能なのが感覚的にわかります。

     

    最初の指標として「実質単年度収支」。その名の通り年間の実質的な収支状況ですが七年連続黒字です。次に「貯金残高」(=財政調整基金など)。能代市の貯金残高は7年連続の積み増しによって約55億円。これらの指標から、合併後は年々財政状況が良好になってきていると判断できますが、地方交付税の合併算定替の加算や合併特例債などの財源の活用、定員適正化計画による職員数削減などの財政改革のおかげで、順調に積み増しすることができたとされます。支出のうちの借金返済額の割合を示す実質公債費比率は6.8%、将来負担比率は25.6%と県内13市で最もの低数値にはなっています。

     

    能代市はプロパガンダとして財政改革を大きな成果の1つとして上げていますが、前段でも述べたとおり平成の大合併時に市町村合併を選択した自治体は、ご褒美として国から潤沢なお金がばらまかれているので、財政状況が安定に向かったのは能代市を含むほとんどの合併市町村で共通していることです。当面の間は財政状況を安定して維持できる見通しですが、中長期的には、能代火力発電所三号機建設による税収増への期待と楽観がある一方、人口減少にともなう税収の減少、33年度以降の合併特例債や合併算定替の打ち切り、予測が難しい地方交付税の動向、老朽施設やインフラの維持・更新など、財源の縮小にともない、厳しい財政運営を強いられることは避けられないでしょう。

     

    また財政調整基金が積み増しされる一方で増えていっているのは「借金残高」(=市債)で約320億円です。交付税措置される額などを除いた実質的な負担額は77億円ですが、市の主張によると、貯金残高が借金残高を上回っていれば財政運営上問題ないとのこと。しかし一般会計分は十年間で約50億円増。将来世代への負担を考慮して起債は慎重に活用し、借金は少ないに越したことはない。

     

    もう一つ憂慮すべきポイントとして、少子高齢化にともなってこれからどんどん膨張していくであろう社会保障関係費です。社会保障費とは生活介護、福祉、医療費。性質別歳出の構成比約20%を占める扶助費ですが、平成18年から27年で約18億円の増額で伸び率はおよそ52%。目的別歳出の構成比約35%を占める民生費は、平成18年から27年で約28億円の増額で伸び率はおよそ40%。定員適正化計画にともなって、平成18年から27年で約14億円削減された人件費ですが、差し替わるように社会保障関係費が膨張していることがわかります。一般会計から国民健康保険特別会計への繰入も年々増加傾向にあるのも注目されます。

     

    こういった事情をかんがみても、将来的にどんどん深刻化していくであろう人口減少などの縮小社会を視野に入れれば、当面の間は財政の安定が保たれたとしても、財源が尻つぼみしていくことが明白な10年20年先に、厳しい財政運営を強いられていくことは避けられません。

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